犬は飼い主の家族を自分が所属する群れと認識する
 犬の主な先祖、つまり狼は、群れで狩猟を行う動物です。群れは統率するリーダーが存在し、複雑な階級が必要になってきます。飼い犬も本能として狼の社会構造や行動パターンを持っているので、飼い主の家族は自分の所属する群れと認識しています。家族を自分の群れと思っている以上、飼い主といっしょに室内で暮らせる環境が犬にとって快適な暮らしといえるでしょう。

 また、犬は狩猟犬、牧羊犬など、それぞれの目的に合わせて改良されてきました。そのため、犬種によって体型も性質もまったく異なり、大きさによって寿命も、かかりやすい病気も違います。犬の本能、犬種の性質・特徴などをよく勉強してから飼いましょう。

栄養バランスと量に注意。ほしがるだけ与えると肥満傾向あり
 総合栄養食という表示のあるドッグフードをオススメします。離乳直後は1日6回程度、生後6ヶ月ぐらいまでは1日3〜4回、成犬は1日1〜2回を目安に。
 犬の食事は、バランスの取れたものを決められた量与えるということが大切です。ほしがるものをほしがるだけ与えていたら、肥満の大きな原因になります。また、犬にとって毒になるネギなどは与えないでください。
トイレの場所
 室内で飼育する場合、犬が飼い主に外へ出してもらうのを待たなくてもいいように、トイレを家の中に作りましょう。家の中でトイレをすませることで、周囲の人に迷惑をかけないという利点もあります。
 トイレの場所は生活の場所から少し離れた場所に。犬は清潔を好む動物なので、食事や寝る場所の近くにトイレがあることをいやがります。
合図でトイレができるようにしつけよう
 トイレのしつけは犬の習性を利用します。犬は、朝起きてすぐ、昼寝の後、食事の後、遊んだ後などにトイレに行きたくなるようです。その時間をねらって、トイレに連れて行き、少し遊んでやり、そわそわしてきたら「オシッコしようね」などサインを出します。
 同じ言葉を繰り返すことでその合図に合わせ、排泄できるようになります。
散歩は犬にとって刺激の場。毎日散歩に出かけよう
 毎日、犬を連れて散歩に出かけましょう。散歩は犬の健康のためにも不可欠ですし、他の犬とのコミュニーションをはかり、臭いをかぎながら、社会性を育て、さまざまな刺激を受ける場所でもあります。
 なお、運動量は足りていると思われる小型犬でも散歩は必要です。
しつけって何?
 しつけというと、「お手」など芸をしこむことと考えがちですが、芸ではなく、コミュニケーションとなるための共通合図と考えてください。しつけの中で信頼関係を構築していくわけです。
 老犬になっても新しい合図を覚えられるので、遊びや頭の運動、コミュニケーシヨンの一環として、散歩の帰りでにでも毎日少しずつしつけを続けてください。
ほめるとき、しかるときの注意
 合図に上手に応えたら、ほめてやりましょう。難しいことができたときには、おやつを与えるのも有効です。反対にしかるときは、悪いことをしたすぐ後、タイミング良く、適度な強さで。それも、悪いことをしたときに必ず行うようにします。
 同じことをしてもしかられたり、しかられなかったりでは犬が混乱してしまうので注意してください。
「マテ」「フセ」「コイ」を教えよう
 「マテ」・・・散歩中に人と立ち話をするときなどには「マテ」を命令します。初めは短い時間でもきちんと待てたら、ほめてやり、徐々に長時間待てるようにしつけていきます。
 「フセ」・・・長い間待つときは「フセ」の姿勢で待たせます。
 「コイ」・・・いつでも呼べば帰ってくるようにしておけば、近寄らせたくない物や人、犬などに興味を持ったときにもかんたんに対応できます。
即、要求に応じていると自分が優位だと勘違いすることも
 飼い犬がペットフードの入っている棚をがさごそしたり、外に連れて行ってくれるようにせがむときは、すぐに要求に応じてはいけません。犬が出した命令に飼い主が服従していると、飼い主の留守中、要求がすぐに満たされないとストレスになってしまいます。
 また犬は自分の要求をすぐに聞いてくれるあいてより自分を優位だと勘違いする傾向があります。しつけをきちんと行うようにしましょう。
吠える理由を理解して原因を取り除いてやろう
 集合住宅で犬を飼育するときのトラブル一つと言われる「無駄吠え」。しかし、犬の本能の一つ。威嚇、恐怖、苦痛、なわばり意識、不安などさまざまな理由があり、理由もなく吠えることはありません。たとえば、来客に吠えるのも外部からの侵入者を撃退する行動。この場合、だれに叱られたかわからないように罰を与えましょう。
 吠えたら、知らん顔をして小石を入れた空き缶を転がし、大きな音を立てて脅かしたり、軽いボールを犬にめがけて投げたり、吠えると何事か起きると思わせるようにします。吠える理由はいろいろですから、原因に応じた対処法があります。専門家に相談しましょう。
トレーニングは犬だけではなく、飼い主もかならずいっしょに
 しつけは飼い主と犬の信頼関係を作ります。お互いのコミニュニケーションのなかで、いっしょにひとつひとつのしつけを学ぶことが大切です。飼い主が犬といっしょに学べるシステムの訓練所やしつけ教室も増えています。
 専門家に相談して、最寄りのしつけ教室を探してください。

ペットのトラブルはこうしてクリアしよう
 集合住宅でペット飼育を行う際の「3大トラブル」といわれるのが無駄吠え、抜け毛、臭いです。無駄吠えについては上で説明していますが、やっかいなのは飼い主の留守中の無駄吠え。近所に迷惑をかけながら、飼い主が知らないというケースも少なくありません。これは飼い主がいないことによる分離不安という症状がほとんどで、無駄吠え以外にも、ふだんと違うところで排泄する、家具を壊すといった症状が見られます。

 獣医師や動物の専門家に相談するのが最前の策ですが、外出の前後に交流を持ちすぎると飼い主の留守に問題行動を起こしがち。いずれにしろ、犬は孤独を好まない動物です。子犬の場合、1日4時間以上誰もいない部屋で留守番させるのはやめましょう。

 また、犬は体臭のある動物ですから、定期的なシャンプーを心がけます。体臭の強い犬種もあるので、飼う前に調べた方がいいでしょう。排泄のあとはすぐに始末をし、ペットシーツもこまめに変え、周囲への配慮も忘れずに。
 なお、シャンプーの際に抜けた毛が配水管をふさぐこともあります。必ず、排水溝に目の細かいネットをおきましょう。

病気・トラブルと予防
フィラリア症蚊の発生の1ヶ月後からシーズン終了後1ヶ月までの期間、1ヶ月に1回予防薬を与える。
飲み薬、注射など。
ノミ・ダニ駆除するための予防薬を与える。
飲み薬、注射、体表に投与する駆除剤もある。犬のアレルギー症の原因になるので注意。
感染症ワクチンがある。接種方法や時期は動物病院に相談しよう。
狂犬病生後91日以上の犬は登録と予防注射が義務づけられている。予防注射は飼い始めてから30日以内に獣医師のもとで。その後は毎年4〜6月までのあいだに注射を受ける。
注射済み証明書を保健所に提出して、注射済票を受け、鑑札とともに必ず装着しておこう。
避妊と去勢手術を行うと、メス犬は精神が安定し、オス犬は性格が穏やかになる傾向がある。手術の時期などは動物病院に相談しましょう。
病気に対する心構え
 犬種によってなりやすい病気もありますし、犬種によって寿命も違います。飼育する前に調べて、病気になったときの対応についても考えておきましょう。
 また、大型犬は高齢になったとき介護が大変で、人によっては腰を痛めてしまうこともあります。老後の介護も考えて飼育しましょう。
動物病院へ行くことをストレスにしないために
 体に触れられることに慣れないと、診察がストレスになってしまいます。日頃から体のさまざまな箇所を触り、体を触れられることに慣れさせておきましょう。触れることでイボや腫瘍、痛い箇所を早期に発見することもできます。耳掃除、目薬、歯磨きも行ってやりましょう。
 また、子犬の頃から動物病院に気軽に行くようにしましょう。散歩のついでに立ち寄って、他の犬を観察したり、おやつをもらったりしていると、治療を受けにくることも苦痛ではなくなります。
引っ越しの時の犬への配慮
 犬は住む場所が変わることにそれほど神経質な動物ではありません。食事、寝る場所、トイレを決め、音に対して注意を払ってやりましょう。驚かさないように新しい環境になじませます。

共同部分では注意しよう
 散歩に行く際、大型犬、中型犬なら必ずリードを短くもち、飼い主の身体のすぐ横を歩かせます。小型犬なら胸に抱くようにしてください。
 なお、ベランダも共用部分です。ベランダでの排泄はもちろんグルーミング厳禁。
居住者同士、ペット同士の交流を
 犬の場合、集合住宅の中で他の居住者や犬と知り合えば、社交性も向上します。連れだって散歩に出かけるのもいいでしょう。
 いろいろな人々と交流することでペットを飼っている人も、飼っていない人もお互いに理解し合うことが可能になります。
エレベーターは要注意
 ペットを連れてエレベーターに乗るときは、同乗していいか声をかけましょう。先に誰かが乗っているエレベーターには乗らないようにします。
 先に乗っているエレベーターに他の人が乗ってきた場合には、ペットを壁の方に寄せ、飼い主の体で同乗者との間に壁をつくります。また、同乗者には、一言あいさつするといいでしょう。
管理規約をよく読もう
 そのマンションごとにルールは違いますから、管理規約やペット飼養細則をていねいに読んでおきましょう。
 なお、盲導犬、介助犬、聴導犬は障害者の方の目や耳、手足の役割。ペットとは違うことを認識しておきましょう。
上下階、両隣にはあいさつを
 ペットを飼うことが決まったとき、引越し先であいさつに行くとき、少なくとも上下階、両隣にはペットのことを話しておきましょう。
 そして「何かあったら、すぐ連絡ください」と話します。ペットのことで迷惑をかけたら、真剣に対処するようにしましょう。
病歴証明をもらっておこう
 これまで通っていた動物病院が遠くなって、やむなく病院を変える場合、前の病院でワクチン接種覆歴や病歴の証明書をもらっておきましょう。新しい病院に提出すれば、ペットの健康データを伝えることが可能です。
電気コードには注意しよう
 電気コードをペットがひっぱって、ライトが倒れたり、棚の上のものが落ちたり、時にはペットがけがをすることも。
 ペットが遊ぶところでは電気コードを出しておかないようにしましょう。
 観葉植物は注意して選ぼう
観葉植物は動物がひっくりかえすこともありますし、ときにはペットにとって食べると毒になるものも。注意して選び、置く場所を考えましょう。

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