猫は強さの順位よりなわばりが尊重される
 猫は群れを作らず、単独行動を好む動物です。ホームエリアやハンティングエリアを持ち、マーキングをして自分の存在を示します。後から来た猫はすでに他の猫のなわばりだと知ると、他のエリアに移り、明確な強さの順位よりなわばりを尊重するのが彼らのルールです。

 また、部屋の中だけで暮らしている猫は行動範囲が制限されると心配しがちですが、飼い主が猫にとって快適に暮らせる環境を作れば、居心地よく暮らすことが可能です。1匹でもちゃんと留守番しています。

トイレの好みは個体差あり。好みに合わせて用意しよう
 清潔なトイレを用意しましょう。猫は決まった場所で排泄をする習性があるので、トイレもすぐに覚えます。ただ、トイレの好みがうるさい場合もあるので、砂、形、場所などに注意してください。フード付きトイレが好きな猫もいれば、嫌いな猫もいます。人が頻繁に歩く廊下、他の猫のなわばり、食事のそばは避け、トイレの数は「猫の数+1」用意します。
 なお、何度もトイレの失敗が続いたら、病気の可能性もあります。すぐに獣医師に相談しましょう。
栄養のバランスに気をつけ肥満させないことが大切
 猫に必要な栄養素はたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラルなど。魚だけ、肉だけの食事ではなく、栄養のバランスを考えて、総合栄養食という表示のあるキャットフードを与えましょう。
 猫は自分で食べる量を調節できますが、コントロールがうまくできない場合もあるので肥満には注意してください。食事の際には新鮮な水も用意しておきましょう。
共用部分でのグルーミングは厳禁。毛が飛ばないように気をつけて
 猫にとって毛の手入れ=グルーミングは大切。飼い主からグルーミングしてもらうのも大好きです。猫が自分自身で行うセルフグルーミングは毛並みを整えながら身体からの分泌物を毛につける役割で、ストレス発散にもつながっています。このグルーミングで舐めた毛は便といっしょに排泄されますが、胃の中で丸く固まり吐き出されることもあります。
 また、猫の毛は大変軽く、すぐ部屋の外へ飛んでしまいます。ベランダや廊下など共用部分はもちろん、窓を開けてグルーミングほ行わないようにしてください。
壁に高低差をつくり、高いところにくつろぐ場所を
 高いところでくつろぐことは猫の楽しみの一つです。棚やタンスの上など段差のある場所を猫が歩いたり、くつろいだりできるように工夫しましょう。壊されてはいけないものは隠し、椅子なども利用して段差を作ります。
 引っ込み思案の猫のために来客があったときには避難できる場所も確保しておいてください。
遊び
 1日1回は猫と遊ぶ時間を作りましょう。猫は狩りの本能を持っています。それが遊びという形で表れるため、部屋の中で暮らす猫は生涯遊びを続けます。
動くおもちゃで遊ぼう
 ボールや丸めた紙は猫にとって獲物の代わり。飼い主がボールの動きに緩急をつけてやると、猫はねらいを定めたり、待ち伏せてジャンプしたり、抑えこんだり、と狩りの疑似体験を楽しみます。
 軽い紙なら自分で弾いたり飛ばしたり追いかけたりして、一人遊びをします。かくれんぼも大好きで、椅子の陰、タンスの隙間に隠れ、ネコジャラシなどを揺らしながら近づけると、手で弾いて遊びます。
ダンボールで遊ぼう
 市販の猫用タワーよりダンボール箱で作ったおもちゃを好む猫もいます。飽きれば使わなくなりますから、廃品を利用して作っちゃいましょう。
 たとえば、ダンボール箱の横に手が出せる穴、体がとおる穴などを開けて、箱の中に眠れるようタオルを敷いたり、箱の中から穴をのぞくと、見えるところに丸めた紙にひもをつけてテープでとめたり。
 遊んだり、壊してもいいオモチャを用意することでストレスが発散され、家具に傷をつけるようなこともなくなります。
子猫なら2匹いっしょで
 猫を2匹飼うと、子猫同士で遊んだり、2匹で助け合ったりできるので、猫の社会性も育まれます。
 ただし、大人になってからもう1匹の猫がもらわれてきても、受け入れることが出来ず、トラブルが生じる場合もあるので注意しましょう。
猫と遊ぶときは猫の意志を尊重しよう
 猫とのより深いコミュニケーションを求めるなら、一緒に遊ぶときは自分から求めるのではなく、猫が誘ってくる、近づいてくるのを待ちましょう。その方が長い時間、より深い交流をもつことができますし、猫にとってストレスにならず、いい関係が作れます。

ペットのトラブルはこうしてクリアしよう
 マーキングは猫の本能の一つ。自分のなわ張りであることを示すため体から出る分泌物の臭いをつける行為です。マーキングには、@頬やお尻を尖ったものにこすりつける、A爪研ぎ、B尿マーキングの3種類があります。

 マーキングは本能の一つですから、やめさせるわけにはいけません。しかし、爪研ぎで家具が傷つけられることもありますし、尿スプレーは普通の尿より臭いため問題になることもあります。ただ、マーキングは代替可能な行為です。いつも尿スプレーをする場所に棒を差しておくと、猫はそれにお尻をこすりつけ満足しますし、爪研ぎをする場所に棒を差しておけば頬をこすりつけ、それで満足します。叱るのではなく、上手に代替させるようにしましょう。

 なお、市販の爪研ぎ器を用意しましょう。また、爪を切る切るのも対策の一つ。専用爪切を使うと爪が割れずに便利です。爪を覆うゴムカバーも市販されています。

病気・トラブルと予防
ノミ・ダニ部屋をいつも清潔に。
駆除するための予防薬を与える飲み薬、注射、体表に投与する駆除剤など。
感染症ワクチンで予防する。
接種時期などは動物病院と相談する。
猫エイズ
猫白血病ウイルス
一度かかると、ずっと持ち続ける感染症。キャリアになっている野良猫も少なくないので、感染しないためにも室内飼育がおすすめ。
猫白血病ウイルスはワクチンでも予防できる。
避妊と去勢避妊していない猫は年数回発情し、高い声で鳴き続けたり、マーキングしたりするため周囲に迷惑をかけることもある。メスの発情でオスが落ち着かなくなることも多い。
避妊・去勢した猫はおとなしくなり、甘えるようになり、攻撃的な面が少なくなる。手術時期は動物病院に相談する。

引越し時の猫の配慮
 猫は環境変化が苦手な動物。だから、引越しは嫌いです。猫がストレスを受けないよう、心配りを忘れずに。
先住者のにおいは取り去ろう
 先住者のにおいは極力取り去ります。壁紙などを変えたり、脱臭剤ですっきりさせたり、部屋の中に猫が利用する布などを置くようにします。
 すべて新しい家具にするのではなく、いくつか残すようにしましょう。自分のにおいがあると、安心感を持つことができます。家具をすべて変えた場合は以前のカーテンやカーペットの一部をもってくるようにしましょう。
徐々に新居に慣れさせよう
 猫は大きな変化を好みませんから、引っ越ししてすぐはゲージの中に入れておきます。ゲージの中で落ち着いてきたら、今度は部屋の中で過ごさせ、徐々に新居になじませましょう。このとき、寝室など猫が入ってはいけない部屋のドアは必ず締めておき、部屋の中を猫に見せないようにします。
 また、家具の移動で大きな音がしたり、いろいろな人が出入りするのもストレスになるので注意しましょう。
トイレで排便ができたらリラックス
 トイレで排便ができれば猫がリラックスできた証拠です。最初はなれないのでいくつもトイレを置いて、どこをトイレにすると落ち着くのか探ってみましょう。
 引っ越したばかりは緊張しているのでトイレの失敗があるかもしれませんが、叱らず、きれいにふき取って臭いを消しておきましょう。
ボディランゲージ。猫の表情を見てごらん
 耳が立っていたり、耳が伏せられていたり、目がまん丸になっていたり・・・。
猫の顔はとても雄弁。じっくり観察すると、猫の気持ちがわかってきます。顔を見て、気持ちが読めるようになると楽しいですね。

目を細める=リラックス  耳を立てている=楽しい
耳を横向き=警戒している  耳が後ろにくっつく=恐怖心
「このテーブルは乗っちゃダメ!」猫もしつけは可能です
 猫はしつけができないと思われることが多いようです。しかし、猫も生活のルールはちゃんと覚えることが出来ます。乗ってはいけないテーブルを教えることも可能です。テーブル乗ったら叱る、降りたら褒める、乗ってもいいタンスなどを用意する、ことでしつけていきましょう。
 おすわりなどの芸を教えるのはお互いに苦痛の元。猫にむストレスを与えるのでやめましょう。
赤ちゃんに会わせる前にオシメで赤ちゃんの匂いに慣れさせる
 引越しで、結婚、独立、出産など家族構成が変わることも少なくありません。猫にとって、家族が増えることも大きなストレスになります。赤ちゃんが産まれたら子供に会わせる前にオシメの匂いをかがせる、などのステップを作るとスムーズです。
 来客なども増える時期ですが、お客様のバッグなどにオシッコをかけるのも違う匂いに神経質になっているからです。

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